ZaruBallの組み立て(1発で動作せず。。。)

2025/11/03

キーボード

 自作キーボードに興味を持ち、今回見言聞ざる(zaruSaru)さんが設計したZaruballの組み立てキットを購入しました。

組み立て方などは下記サイトに丁寧な記載があり、これがあれば十分組み立てられると思いますが、私の作業記録としてこの記事に残してます。(基本的に公式ドキュメントを見て作業はしてください。)

ZaruBall v3 (Choc, Mack対応版)

なお、私は一発目はうまく動作しなかったため、反面教師として残しておきます。

ダイオードの取り付け

ビルドガイドに則りまず初めにダイオードを取り付けます。型番はビルドガイドにも記載がありますが、SMDダイオード 1N4148Wとのことです。

注意点としてはダイオードなので向きがあります。下記の図にも記載しましたが、チップに書かれている縦線の向きと基板に書かれている縦線の向きを合うように実装します。

最初に片方のパッドに予備はんだを盛ります。表面実装部品のはんだ付けが10年以上前の記憶なので、盛る量に自信がないですがとりあえず下記のように盛りました。(D11のところです。)

予備はんだを付けた側をはんだごてで溶かしながらダイオードをピンセットでつまんで基板に乗っけます。ある程度位置が決まったら、はんだごてを外して位置を仮決めします。

位置が決まったら反対側の方をはんだ付けをし、最初の予備はんだした側に再度はんだを盛ります。(予備はんだ側のはんだの量が少ないため)

実装した写真はこんな感じです。これを85個繰り返します。(そこまで年行ってないと思ってましたが、小さな部品を実装する際は手が震えて大変でした笑 こんなところで老いを感じるとは思わなかったです。)


スイッチソケットを実装する

次にスイッチソケットを実装します。今回私が購入したのはMX互換仕様です。

個人的にはロープロファイルの打鍵感のほうが好きなのですが、ロープロファイル仕様は全キーchocソケットであるのに対して、MX互換仕様だと6キーだけchocキーのソケットが付いており、その他はMXソケットとということで、二つのキーソケットの違いを確認するためにMX互換仕様を選択しました。

下記画像の左側がMX互換のソケットで、右側がchocソケットです。ソケットの感覚も異なるに長さが異なることがぱっと見でわかると思います。

おそらく自作キーボードを作っている人で実装表面積を小さくしたい方はロープロファイルのchocソケットを使うのかなと思いました。

各キーソケットのデータシートが遊舎工房さんのホームページに記載があったため、より詳細情報はこちらからデータシートの確認をお願いします。

前置きが長くなりましたが、ここから実際に実装します。基板に向きが書いてあるので間違えないと思いますが、下記の向きで実装します。



こちらも先ほどのダイオードの実装と同様に片側に予備はんだを盛ります。

ガイドのピン?とそれに対応する穴が基板側にあるため、下記図のようにピンセットで押しながら予備はんだ側をはんだごてで溶かすとガイドのピンが穴に入って実装ができます。


予備はんだを持ってない側もはんだづけして、ダイオードの時と同様に予備はんだを付けた側のはんだを増して実装完了です。
これを残り実装するのですが、最初の方でも述べた通りMX仕様だと6か所chocソケットを実装する箇所があります。現在実装している側でいうと下記4か所がchocソケットを実装します。(2か所間違って予備はんだをMXソケット側に盛ってしまってますが、気にしないでください。)

chocソケットも先ほどと同様に実装していきます。基本的に基板書かれている向き通りに実装すれば大丈夫だと思います。

一通り実装したのがこちらです。

反対側も同様に実装していきます。反対側は下記2か所がchocソケットです。


反対側もこんな感じで実装しました。

電源スイッチの実装

次に電源スイッチの実装です。今まで基板の裏面に実装していましたが、電源スイッチは表面に実装して、裏面からはんだづけをします。

ビルドガイドにも記載がありましたが、マスキングテープなどで部品を固定したうえでスルーホールにはんだを流し込みます。私の場合はこんな感じで固定しました。

部品実装の表裏が不安な方はこのマスキングテープで固定している状態でカバーをつけてみて確認してみるのがいいと思います。間違った面に実装しようとするとカバーと干渉するため気が付くことができます。(はんだ付け終わった後に間違いに気が付くと悲惨なので。。。


)

はんだ付けした後がこちらです。スルーホールでこのくらいの小さい部品の実装をしたことがないため、自信がないですが固定はされていそうなのでヨシとします。

反対側の基板に対しても同様にスイッチを実装しておしまいです。

マイコンの実装

次にマイコンの実装をします。マイコンが入っていたケースの中にピンヘッダーがあるためこれを取り出します。

このピンヘッダーを基板に載せてマイコンの位置を固定します。(ビルドガイドにも記載がありますが、ピンヘッダーはあくまでマイコンの位置を決めるための補助的なものなので、はんだ付けをしないように気を付けてください。)

私は下記のようにピンヘッダーで部品を固定してはんだ付けをしました。(はんだ付けする際は基板とマイコンがしっかり密着しているかを確認してください。)

また、この時に基板の実装面の表裏を間違えないように気を付けてください。私は一度裏面に一度間違えて実装してしまいました。。。サルの絵が描いてある方にマイコンを実装します。


はんだ付けした後がこちらです。ビルドガイドにも記載がありますが、こて先をスルーホールに立ててはんだを流すといいとのことです。

反対側も同様の手順ではんだ付けをしていきます。(あとから気が付きましたが、このつけ方は間違ってます。スルーホールにはんだは流し込まないです。。。)


ビルドガイドに記載されているはんだの仕方は下記のように端面にはんだを当てて、はんだを流しこみます。


マイコンの裏面のパッドのはんだ付け

最後にマイコンの裏面のパッド3つをはんだ付けします。ビルドガイドにも記載がありますが、スルーホールにこて先を立てて十分に加熱した後に開口部からはんだを差し込むとうまくいきます。

こちらも同様の手順で反対側もはんだづけします。

SenceモジュールパッドへのFPCはんだ付け(Mack仕様のみ)

今回Mack仕様を購入したので、FPC(Flexible Printed Circuit:フレキシブル基板)のはんだ付けを行います。

フレキシブル基板は複数の基盤がまとまっており、画像の赤丸の部分でつながってます。カッターで切り取ります。デザインナイフを持っている方はデザインナイフを使うと取り回しやすく切りやすかったです。

今回私が使ったのは下記のデザインナイフです。
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左手側のXIAOの下記囲んだ部分に予備はんだを盛ります。

そこにフレキシブル基板を配置します。その際にシルクが正しく読める方が表に来るようにします。

フレキブル基板の上からはんだごてを当てると予備はんだがフレキシブル基板に流れ込みます。

ここで固定された右側のパッドがショートしてないかをテスターで確認します。(一応全部の組み合わせの3パターンでショートしてないかを確認しました。)

導通チェックが終わったらさらにはんだを盛って固定します。(上記図ははんだを盛った後です。。。)

次にピンヘッダーを一本になるようにニッパーなどでカットします。ピンヘッダーを下記のように真ん中にさして固定します。

ピンヘッダーが刺さってないスルーホールをはんだで固定した後にピンヘッダーを抜き、そのスルーホールもはんだ付けします。

はんだが終わったのがこちらです。


バッテリコネクタの実装

次にバッテリーコネクタを実装します。固定用の足が2本と配線用の足2本があるのではんだ付けします。

1か所予備はんだを付けて予備はんだを溶かしながら位置を決めるとやりやすかったです。


トラックボール基板の実装

ここからはトラックボール基板を実装していきます。

基板の分離

まず初めに右手基板につながっているトラックボール基板を分離します。手で簡単に分離することができました。


トラックボール基板に残った捨て基板はペンチなどで持ちながら分離しました。分離が終わったら端面をやすりがけします。(私はサンドペーパーでやすりがけしました。)


右手基板へマグネットコネクタの実装

次に切り離した基板にマグネットコネクタを実装していきます。表面から実装してピンの曲がった部分が基板に触れるまで深く差し込みます。

コネクタが基板に対して垂直になるようにマスキングテープなどで固定します。固定の仕方が難しかったですが、いったん1か所だけはんだ付けして仮固定してケースに取り付けてみます。(一度実装面を間違えた経験から全部つけてから確認すると取り付け面を間違えた際にリカバリが利かなくなるため念のため。。。)

この時足がケースに干渉していたので、先に足を短く切断しました。(ビルドガイドでは最後に切ってました。)



向きがあってるのを確認できたため、全部はんだ付けします。

横から見た図がこちらです。


ちなみに足をニッパーで切る際は下記のように消しゴムを使うと飛ばなくておすすめです。

トラックボール基板側の実装

次に先ほど分離したトラックボール基板側の実装をしていきます。下記のように光学センサーのレンズを取り外します。

下記の向きで先ほど取り外したトラックボール基板にセンサーを実装します。ビルドガイドに則りマスキングテープでセンサーと基板を一体化させて足をはんだ付けします。(いったん1か所だけはんだ付けします。)


1か所だけはんだ付けが終わったら側面からみて基板とセンサーが密着しているかを確認して、問題なさそうだったら全部はんだ付けします。

次にI字マグネットコネクターを実装します。マグネットコネクターは吸着する方向が決まっているため、実装する前に向きを確認してください。最終形は下記のようになります。


万が一実装面が間違ってもリカバリーができるように真ん中だけコネクタをはんだ付けして確認します。(磁石ではんだごての小手先が持っていかれる場合があるため、作業がやりづらかったです。。。)

向きも問題なかったため足をすべてはんだ付けします。

実装が終わったら下記赤丸のところについている黄色い保護シートをはがします。

保護レンズをはがしたらレンズを装着します。
裏面にレンズの出っ張り(画像の下記赤丸の二か所)が出ているのでこれをはんだごてで溶かして本体とレンズをくっつけます。
いったんこんな感じで溶かしました。

以上でトラックボール基板の実装は終了です

左手基板にロータリーエンコーダーの実装

次に左手基板ロータリーエンコーダーの実装をします。表面からロータリエンコーダを差し込みます。

毎回のことですが、実装の向きがあっているか確認をするためにケースに一度取り付けてみます。向きは問題ないため、はんだ付けしていきます。

下記画像の赤丸のスルーホールをはんだづけします。(プッシュスイッチなしのものは右側の2ピンはないとのことです。)

また、青丸の部分は足の固定用で電気的な接続はないとのこと。ペンチで曲げて基板と固定するかはんだで固定するかということでしたので、今回ははんだで固定しました。


ファームウェアの書き込み

私の場合は下記のようになりました。

この表示されたフォルダに先ほどダウンロードしてきたuf2ファイルを保存します。その際に下記のようなエラーメッセージが出てきますが、問題はございません。


一応こちらはZMK Firmwareの公式サイトにも記載がある通り正常動作です。

以下が公式の文章を翻訳したものです。簡単に言うと書き込みが終わるとマイコンがリセットするためOS側の期待する動作をしないからです。
マイクロコントローラにフラッシュする際に、以下に示すような警告のバリエーションが発生します<firmware>.uf2。これは、OSがファイル転送の完了を確認する前に、マイクロコントローラがリセットを行うためです。このようなエラーは正常であり、通常は無視できます。ボードが正常に動作するかどうかを確認するには、新しくフラッシュしたキーボードをBluetooth経由でコンピューターに接続するか、ZMK_USBKconfig.defconfigでUSBが有効になっている場合はUSBケーブルを接続してください。

バッテリーの実装

続いてバッテリーの実装です。推奨で紹介されているLiPoバッテリーは基板の端子の±と逆に端子がついています。基板を購入した際のチラシに逆接で壊す例が多いという記載があったため要注意です。

線を抜いて差し替える必要がありますが、下記のように精密ドライバか何かを入れて抜きました。(公式のビルドガイドではつまようじを使っていますが、つまようじがなかったため、精密ドライバーを使いました。)

以上で基板の組み立て作業は終了です。

動作確認(動かないキーあり)

組み立てが終わったのでキースイッチを取り付けて動作確認を実施しました。
動いたキーは下記のキーキャップが付いているところです。(ballも動かなかったです。。。。)

次はデバッグをしていきます。。。





自己紹介

はじめまして 社会人になってからバイクやプログラミングなどを始めました。 プログラミングや整備の記事を書いていますが、独学なので間違った情報が多いかもしれません。 間違っている情報や改善点がありましたらコメントしていただけると幸いです。

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