Zaruball Mackの組み立て

2025/12/08

キーボード

 前回ZaruBallの組み立てを行いました。今回ZaruBall Mackも購入したので組み立てを備忘録的に残しておきます。(基本的に下記ビルドガイドを正しくしっかり読めば問題はないです)

Mackビルドガイド

↓前回の記事


チップダイオードの実装

ZaruBallと同様にまず初めにチップダイオードの実装をしていきます。チップダイオードに線があるので、シルクに記載されているものと方向を合わせて実装していきます。何か所か向きが逆になっているところがあるので、間違えないように気を付けてください。

実装する際は下記ビルドガイドに従って、実装します。
  1. ダイオード用のパッドのうち片方に予備はんだを盛ります。
  2. 左手でピンセットを使いダイオードをつまみます。この時シルクの向きとダイオードの向きが揃っていることを確認します。
  3. パッドに盛ったはんだをはんだごてで溶かしながら、ダイオードの位置を調整します。
  4. ダイオードの位置が決まったらはんだごてをパッドから離し固定します。
  5. 反対側のパッドにはんだを流します。
  6. はじめにパッドに盛ったはんだは予備はんだなので固定力を高めるために再度ハンダを流し込みます。
チップダイオードのはんだ付けが終わったものがこちらです。

抵抗の実装

次に抵抗を2つ実装していきます。基板にR1、R2とかかれていると思うのでそこに抵抗を実装していきます。下記のように裏側に実装します。

下記のように足を折り曲げて場所を固定しました。ビルドガイドに則って裏側からはんだを流して固定をしていきます。
私の場合、表面にはんだがあまり流れ込まなかったため、下記のように表面からもはんだを流しました。不要な線をニッパーで切って抵抗の取り付けは完了です。

(補足)5.1 kΩを実装する理由

ZaruBall側には5.1 kΩを入れておらず、Mack側だけ5.1 kΩを入れていたので理由を調べてみました。あくまで調べた内容なので、間違っていたらご指摘お願いします。

下記記事によるとUSBの端子にはCC1,CC2ピン(Configuration Channel)があるみたいで、このピンを5.1 kΩの抵抗でプルダウンをして5 Vを取り出す仕様があるみたいです。

今回作成するMackは下記図のSink側(Device側)で規格上Rdを5.1 kΩでプルダウンすることが定められております。Source側は自身が供給できる電流値によって10 kΩ、22 kΩ、56 kΩの抵抗でプルアップします。
はじめてのUSB [USB Type-C™ 及び Power Delivery規格入門]より

給電する側のSource(Host)はケーブル接続(attach)を検知してから5 V電圧(VBUS)を出力するのですが、接続を判断するためにCC1,CC2の電圧をモニタします。この電圧が規定の値になったことを元に接続されたと判断をされ、5 Vが出力されるようになります。

ZaruBall自体はマイコンのSeeeduino XIAO BLE nRF52840側にその辺の抵抗が実装されていると思うのですが、Mack側は実装されてないため別途抵抗を実装して、接続を認識できるようにしていると思います。

PPTCヒューズの実装

次にPPTCヒューズの実装をしていきます。私がPPTCヒューズを知らなかったので、補足で調べた役割を記載しておきます。

PPTCヒューズは下記のチップです。向きはないとのことなので向きを気にせず実装します。
今までの部品同様に片側のパッドに予備はんだを盛って、位置を調整しながら片側を実装します。片方の位置が決まったら反対側もはんだ付けをして、予備はんだ側を再度はんだを流して固定力を高めます。
実装したものがこちらです。

(補足)PPTCヒューズについて

私がPPTCヒューズというものを知らなかったので勉強したものを残しておきます。知っている人は飛ばしてください。

PPTCはPolymer Positive Temperature Coefficientの略で、温度の上昇に伴って抵抗値が上昇し、過電流が解消されて素子が冷却されると再び低抵抗状態に戻る特性を持つ保護素子の一つです。

自動車などで使われるヒューズは溶断型で、一度保護機能が動作すると交換が必要になりますが、PPTCは自己復帰型であり、温度が低下すると再度使用できるため「リセッタブルヒューズ(Resettable Fuse)」とも呼ばれています。

PPTCの詳細な動作については下記の記事を参照お願いします。

このPPTCヒューズは下記記事によるとUSB Type CのVBUSとVCC間のヒューズとして使われていると考えられます。(こちらの記事ではPPTCではなく、ポリスイッチというキーワードで使われてます。)今回のMack側でもUSBの保護用のヒューズとしてこのPPTCヒューズが使われていると考えてます。

USB端子の取り付け

次にUSB端子を取り付けます。下記図のように基板の表側から配置し、マスキングテープなどで脱落しないように固定をします。


裏返して4か所はんだ付けします。なんとなくですが、自動車のねじを締めるのと同じ順番で対角線ではんだ付けをしていきました。(下記図は2か所しかはんだ付けしてないですが、4か所全部はんだ付けします。)


4か所のはんだ付けが終わったのがこちらです。


次に基板を裏返して表面にある6つのピンをはんだ付けします。ビルドガイドにも記載がありましたが、フラックスをパッドとピンに塗布して、はんだごてにはんだを盛った状態でピンをなでるとうまくはんだ付けができます。

実装した後の写真がこちらです。

スイッチソケットの実装

次にスイッチソケットを実装していきます。やり方はZaruBallと同じで、ビルドガイドに記載の下記手順に則って実施していきます。

  1. 片方のパッドに予備ハンダを盛ります。
  2. ソケットをシルクの形に沿うように配置し、予備ハンダを溶かしながら基盤に密着するようにソケットを押さえつけます。ソケットの金属部分が加熱するのでピンセットなどで押さえつけることをおすすめします。
  3. ソケットの反対側のパッドにハンダを盛ります。
  4. 予備ハンダをしたパッドに再度ハンダを流します。

全部実装した後がこちらです。

オスポゴピンの実装

最後にポゴピンの実装をしていきます。ポゴピンも恥ずかしながら今回初めて知ったのですが、一般でつかわれているみたいでバネが入っているピンでばねの力で接点に一定の力を与えることで、接続の信頼性を高める機構みたいです。詳細は下記リンク先を参照お願いします。

(完全に蛇足になりますが、ポゴピンはポゴスティック(ホッピング)に似ていることから名づけられたみたいで、海外ではホッピングではなくてポゴスティックと呼ばれているというのも初めて知りました。)

それましたが、ここから具体的な実装について記載してきます。まず初めに4ピンのポゴピンを実装していきます。ポゴピンの両端に突起があるのでこの突起を基板の穴にあるように配置します。
突起が抜けないように気を付けながら一つのパッドにはんだをつけます。はんだを溶かしながらポゴピンを上から押さえて基板と密着させていきます。

ここでポゴピンと基板が水平になっているかを確認します。もし、水平になっていない場合は再度はんだを溶かしながらポゴピンを押さえつけて実装します。


こちらは実装した後ですが、水平になっているかをこのように確認しました。



全部のピンをはんだ付けしたのがこちらです。


これで4ピン側の実装はおしまいです。次に2ピン側の実装をしていきます。基本的に2ピン側も同じなのですが、基板側の穴が複数あります。(下記赤丸箇所参照)

ビルドガイドを見ると2ピンはオス、メスで突起の位置が違うということが書かれていたのでおそらく片方はメス用だと推定しています。片方の穴は入らないので、入る方に入れて4ピン同様に実装します。

実装した後がこちらです。最後にケースに入れてMack側の実装は終了です。

ケースに入れる

特に記載することはないですが最後にケースに入れて完成です。私の個体だけかもしれないですが、ケースに付いている磁石が本体から外れやすく、接着剤で取り付けました。(ビルドガイドにもそのように記載があったため、ビルドガイド通りのことをしました。)
ケース固定用マグネットをトップケース、ボトムケース、トラックボールケースに圧入します。マグネットが入らない場合は2mmのドリルやマイナスドライバで穴を拡張します。緩く、マグネットが抜けてしまう場合は接着剤を穴に少量入れて固定してください。

(ケース組み立てより)   

組み立て後がこちらです。(キーキャップは付ける前です。)


本体の方とは異なり、Mack の方は特にトラブルなく、実装することが出来ました。

Mackのデフォルトキーマップ

ビルドガイドにMackのデフォルトのキーマップがなかったため、調べました。
慣れている人なら、いろいろと調べられるかも知れませんが今回は愚直に下記 サイトを使って、どのキーが押下されているか調査しました。
調べたところ下記のようなキーマップでした。

イメージとしてはテンキーですね。先ほどのサイトの下記の部分になります。Mackの方もキーアサインを変えれれると思うので、最適なキーのレイアウトを見つけたいです。


自己紹介

はじめまして 社会人になってからバイクやプログラミングなどを始めました。 プログラミングや整備の記事を書いていますが、独学なので間違った情報が多いかもしれません。 間違っている情報や改善点がありましたらコメントしていただけると幸いです。

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