ここでは、フロントとリアのブレーキローターを交換した際の作業記録を残します。
ローター交換に至った点検内容と部品選定については、次の記事にまとめています。
【VTR 250】ブレーキパッド、ブレーキローターの点検、ブレーキOHの部品選定、リアブレーキローター流用別車種用ローターの流用についても書いてますが、流用を保証するものではないため参考にして作業をする場合は自己責任で作業をお願いします。
フロントブレーキローターの交換
まず、フロント側から作業します。
フロントホイールとブレーキローターの取り外し
ブレーキローターを固定しているボルトを、写真に写っていない箇所も含めて緩めます。この時点では緩めるだけで、取り外しません。
次に、写真の赤丸で示した割締めボルトと、緑丸で示したアクスルを緩めます。ここも、まだ取り外しません。
その後、車体をジャッキアップし、アクスルを抜いてフロントホイールを取り外しました。ジャッキアップ中の写真は撮り忘れてしまいました。
ホイールを取り外す際は、カラーが落ちてくることがあるため、紛失しないように注意します。
交換するローターの確認
今回使用した新品のブレーキローターはこちらです。私が購入を検討した時点では純正品が約5万円だったため、今回は社外品を選びました。
SUNSTAR KC-501H カスタムタイプ フロントディスクローター
HONDA向け296mmフロントディスクローター。品番:KC-501H / JAN:4580117110626
純正ローターの部品番号は次のとおりです。
取り付け前に厚みを測定すると、約5.1 mmでした。メーカーの公称値は5 mmとのことですが、手持ちのノギスの精度や測り方による差の可能性もあるため、この測定値は参考値とします。
念のため、取り外したローターと取り付け穴の位置などを比較してから、取り付け作業に進みました。
新旧2枚のローターを重ね合わせた状態がこちらです。写真では分かりにくいものの、取り付け穴の位置は一致しているように見えました。オフセットも比較し、同じように見えましたが、写真を撮り忘れたため、ここでは参考情報として記載します。
フロントブレーキローターの取り付け
取り付け後の状態がこちらです。ブレーキローターの固定ボルトを30 N・m、フロントアクスルを60 N・mで締め付けました。締め付け確認の目印と、その後の緩みの確認用として、ボルトに合いマークを付けています。
下記割締めボルトは22 N・mで締め付けました。フロント側のローター交換は以上です。
リアブレーキローターの交換
続いてリア側です。リアホイールを取り外すとチェーン調整も必要になるため、フロント側より作業が増えます。今回は別車種用のローターを購入したため、交換前に形状を比較しました。
(参考)VTR250 FIのリアブレーキローターとキャブ車のブレーキローターの形状の違い
VTR250のリアブレーキローターは、FI車とキャブ車で形状が異なります。下記の記事によると、FI車はリア側で車速を検出するため、リアローターにパルサーリングと呼ばれる部品が取り付けられています。
一方、キャブ車はフロント側で車速を検出する構成のため、FI車のリアにあるパルサーリングは付いていないとのことです。
そのため、キャブ車用のリアブレーキローターをFI車へそのまま取り付けると、車速を正常に検出できなくなる可能性があります。
(参考)CBR250R MC41のリアブレーキローターとVTR250 FIのリアブレーキローターの比較
確認できた範囲では、パルサーリング固定ボルトの長さなどに違いがあります。板厚など主要寸法は近いものの、VTR250への公式適合品ではないため、実際に流用する場合はパルサーリングの固定方法、ボルト長、ねじ深さ、オフセットなどを現物で確認する必要があります。
| 比較項目 | VTR250 FI純正 | CBR250R MC41 非ABS | CBR250R MC41 ABS | ブレンボ 68B407M0 |
|---|---|---|---|---|
| ローター品番 | 43251-KFK-631 | 43251-KYJ-901 | 43251-KYJ-911 | 68B407M0 |
| メーカー上の適合 | VTR250 FI | CBR250R 非ABS | CBR250R ABS | CBR250R/CBR300R。ABS車の適合あり |
| 外径 | 220 mm相当 | 220 mm | 220 mm | 220 mm |
| センター径 | 105 mm相当 | 105 mm | 105 mm | 105 mm |
| 板厚 | 5 mm相当 | 5 mm | 5 mm | 5 mm |
| ホイール固定穴 | 4穴・約φ10.5 mm | 4穴・φ10.5 mm | 4穴・φ10.5 mm | 4穴・φ10.5 mm |
| PCD | 125 mmと推定 | 125 mm | 125 mm | 公開ページでは明記を確認できず。MC41取付寸法から125 mmと推定 |
| ローター固定ボルト | 90105-MBB-000 M8×24、4本 | 90105-KGH-900 M8×24、4本 | 同左 | 車体側指定品を使用 |
| パルサーリング | 42515-KFK-630 | なし | 42515-KYJ-910 | 付属しない |
| リング固定ボルト | 90131-KFK-630 M5×10、4本 | なし | 90131-KYJ-910 M5×8、4本 | ローター側のねじ深さを要確認 |
| オフセット | Hondaの寸法図では確認できず | 同左 | 同左 | 公開仕様だけでは完全比較できず |
| 完全一致か | 基準品 | いいえ | いいえ | いいえ |
| VTR FIへの判断 | 純正適合 | 原則非推奨 | 流用候補 | 流用候補。ただしVTRへの公式適合なし |
購入したMC41用ローターとVTR250純正ローターの現物比較
今回使用したローターはこちらです。VTR250用ではなく、CBR250R(MC41)用として購入したものを流用しています。
CBR250RにはABS搭載モデルと非搭載モデルがあり、ローターのパルサーリング取り付け穴にも違いがあるとのことです。車種名だけで判断せず、部品番号と取り付け穴の有無を確認する必要があります。
brembo SERIE ORO リジッドブレーキディスクローター 68B407M0
CBR250R / CBR300R などに適合するブレンボ セリエオロのリジッドブレーキディスクローターです。
VTR250の純正リアローターの部品番号は次のとおりです。私が購入を検討した時点ではフロント用純正品より安価でした。流用に不安がある場合は、車両に適合する純正品を選ぶことも検討してください。
取り外したVTR250のローターと、今回購入したMC41用ローターを比較します。
2枚を重ね合わせた状態がこちらです。写真では分かりにくいものの、外周、ホイール固定用のボルト穴、パルサーリング取り付け穴の位置は、目視では一致しているように見えました。
念のため、上下を入れ替えて重ねた状態でも位置を比較しました。
取り外したローターにはパルサーリングの外側に横長の穴がありますが、購入したローターには同じ穴がありません。私は取り付け可能と判断して作業を進めましたが、この形状の違いが車速検出や制動性能に影響しないことまで検証できたわけではありません。
購入したリアローターの厚みは、手持ちのノギスで測定したところ約5.1 mmでした。
リアホイールとブレーキローターの取り外し
ここから交換作業です。まず、写真の赤丸で示したローター固定ボルトと、緑丸で示したパルサーリング固定ボルトを緩めます。この時点では、まだ取り外しません。
次に、写真の赤丸で示したリアアクスルナットと、緑丸で示したアジャストナット・ロックナットを緩めます。その前に、元の位置の目安として調整ボルトの長さを測定しておきました。
後でチェーンの遊びを改めて調整するため、この測定値は仮取り付け時の参考用です。
測定値は左右とも31.5 mmでした。
写真は撮り忘れましたが、各部を緩めた後に車体をジャッキアップし、リアホイールを取り外しました。チェーンが外れにくい場合は、アジャストナットの緩め方が足りず、チェーンが十分に緩んでいない可能性もあります。
取り外したリアホイールがこちらです。
パルサーリングにはかなり錆があったため、少し磨きました。
リアブレーキローターの取り付け
ホイールに新品のローターを取り付けた状態がこちらです。参照したサービスマニュアルではボルトを新品に交換する指定になっていたため、新品のボルトを使用しました。
ローター固定ボルトは、車体への取り付け後に42 N・mで締め付けました。
パルサーリング固定ボルトの締め付けトルクは、参照したサービスマニュアルでは7 N・mでしたが、私の手元にトルクスのトルクレンチが無かったため手ルクで締めました。合いマークを付けて、何kmか走行してゆるみなどがないかを確認していきます。
パルサーリングを新品で取り付けて、合いマークを付けたのがこちらです。(作業時の写真を撮り忘れたため、車体につけた後の写真です。)
続いてホイールを車体に取り付けていきます。リアキャリパーを取り付ける前にホイールを車体へ戻したため、キャリパーブラケットが動きやすく、作業に手間取りました。先にキャリパーを取り付けておけば作業しやすかったかもしれないと感じました。。。
苦戦したのは下記図のブラケットの取り付けです。ブラケットを写真のレールに沿わせて入れる必要がありますが、取り付け途中でレールから外れてしまい、何度かやり直しました。
この後にチェーンを調整するため、リアアクスルナットはまだ本締めしません。調整後に88 N・mで締め付けました。
チェーンの調整
リアホイールの取り付け後、最後にチェーンを調整します。前後スプロケットの中間付近で、チェーンの上下の遊びが25~35 mmになるように調整しました。
写真の赤丸で示したアジャストナットを締めたり緩めたりして調整します。
一度は作業前に測定した調整ボルトの長さに戻しましたが、遊びが少し大きかったため、再調整しました。
次の写真は、左側がチェーンを下げた位置で100 mm、右側が上げた位置で約75 mmを示しています。この差から、上下の遊びを100 − 75 = 約25 mmに調整しました。
関連リンク集
今回の作業(2回目)
フロントマスターシリンダーの作業記録は、次の記事にまとめています。
【VTR250】フロントマスターシリンダーOH 2回目(失敗・ASSY交換)点検内容と部品選定については、冒頭の点検記事をご参照ください。
フロントブレーキキャリパーのOHについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】フロント ブレーキキャリパーOH 2回目リアブレーキキャリパーのOHについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】リアブレーキキャリパーOH 2回目1回目の作業(2020年)
1回目のフロントブレーキキャリパーとマスターシリンダーの取り外しについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】ブレーキキャリパー・マスターシリンダ取り外し(フロントブレーキ編)1回目のリアブレーキキャリパーとマスターシリンダーの取り外しについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】ブレーキキャリパー・マスターシリンダ取り外し(リアブレーキ編)1回目のブレーキキャリパーとマスターシリンダーのOHについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】ブレーキキャリパー・マスターシリンダOH
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