今回はフロントブレーキのマスターシリンダーのOHを試みたので、備忘録として残します。
点検窓の交換に失敗し、最終的にはマスターシリンダーをASSY(組立品)で交換することにしました。同じ失敗を繰り返さないため、作業の経緯と反省点をまとめます。
この記事は点検窓の交換に失敗した作業記録です。成功した交換手順を紹介するものではありません。
この作業は、フロントブレーキキャリパーのOHを終えた後に行っています。キャリパーの取り外しについては、次の記事をご参照ください。
フロントマスターシリンダーの取り外し
ブレーキレバーの取り外し
まず、ブレーキレバーを取り外します。ここでは簡単に説明します。詳しい作業内容は、次の記事をご参照ください。
下の写真のボルトと袋ナットを外し、ブレーキレバーを取り外します。ボルト側にはマイナスドライバーを使用しました。
取り外した後の状態がこちらです。シリコングリスが茶色に変色していました。レバー由来の金属粉などが混ざった可能性を考えていますが、変色の原因は確認できていません。
現在使っているのは中国製のレバーです。今回は再度シリコングリスを塗布して、様子を見ることにしました。
ブレーキライトスイッチ・ブレーキホース・ミラー周辺の取り外し
続いて、ブレーキライトスイッチを取り外します。プラスドライバーを使い、下の写真のねじを外してスイッチを取り外します。
次に、ブレーキホースを取り外します。今回はキャリパーのピストンを先に取り外しています。作業順序については、冒頭のフロントキャリパーOH記事をご参照ください。
私の場合はキャリパーを取り外してからかなり時間が経過していたため、マスターシリンダー側のホースを外した際にブレーキフルードは漏れませんでした。ただし、漏れる可能性があるため、下にウエスなどを敷いて作業します。
続いて、ミラー周辺の固定部を外します。下の写真の2本の六角穴付きボルトを外して、マスターシリンダー本体を取り外しました。
点検窓の交換に失敗した経緯
確認したパーツリストでは点検窓の単品を見つけられませんでしたが、次の社外品があったため交換に挑戦しました。この作業では、大きなミスを2つしてしまいました。
点検窓の取り外し
まず窓部分を取り外しました。ただし、この時点では金属リングが本体側に残っていることに気が付いていませんでした。
下の写真のように、M6のねじと22 mmのソケットを使用しました。ねじとソケットをウォーターポンププライヤーで挟み、圧入されていた点検窓を押し出しました。
写真のねじは長さ10 mmのものです。長さ5 mmのM6ねじがあれば作業しやすいのではないかと感じましたが、短いねじでは試していません。先端にM6のナットを付けると、ウォーターポンププライヤーで挟みやすく感じました。
取り外した後の状態がこちらです。Oリングも入っていたため、あわせて取り外しました。
古い点検窓と新品の点検窓を比較すると、透明度が大きく異なります。社外品には金属リングが付いていましたが、取り外した古い窓には金属リングが付いていませんでした。
作業ミス①:金属リングが残っていることを見落とした
金属リングが本体側に残っている可能性を考え、下の写真で金属リングと思われる部分の下側に、マイナスドライバーやピックツールなどで軽く力を加えてみました。本体内部を傷つけないように気を付けましたが、動きそうな様子はありませんでした。
そのため、金属リングがはまっているのではなく、純正の本体がこの形状になっており、金属リングは不要なのだと誤って判断しました。
動かなかったことだけで金属リングの有無を判断し、十分に確認しなかった点が1つ目のミスです。
その後、社外品の金属リングを外し、下の写真のようにクランプで挟んで圧入を試みました。しかし、何度試してもOリングが後ろ側から押し出されてしまいました。
振り返ると、繰り返してもうまくいかない時点で作業を止め、原因を調べるべきでした。そのまま次の作業へ進んでしまったことが、大きな反省点です。
作業ミス②:原因を確認せず、強い力で圧入した
次の行動が、今回の失敗を決定的にしたと考えています。金属リングを外した状態ではうまく圧入できなかったため、今度は社外品に金属リングを付けた状態で圧入を試しました。
このとき、強い力をかけてしまいました。本体側に残っていた金属リングへさらに力を加えたことで、リングを取り外せない状態にしてしまったと考えています。
作業ミスに気が付いた理由
何度圧入を試してもうまくいかなかったため、VTR250に適合しない部品を購入したのではないかと考えて調べ直しました。そこで純正部品として販売されている点検窓とOリングの部品番号を見つけ、購入して比較しました。
購入した部品の番号は、点検窓が45515-MA6-006、Oリングが45516-MA6-006です。下の写真は、Yahoo!ショッピングで購入した社外品との比較です。
開封して確認すると、純正品の点検窓にも金属リングが付いていました。一方、社外品の窓の後ろに付いていた金属部品は、今回購入した純正品には付属していませんでした。この後ろ側の部品に別の部品番号があるかは、確認できませんでした。
純正品と社外品の金属リングの厚みや直径を測定しましたが、測った範囲では大きな違いはありませんでした。
本体側に残っていた金属リングと思われる部分の厚みも測定すると、点検窓の金属リングの厚みと一致していました。この比較から、古いリングが本体内に残っていることに気が付かず、無理に圧入して取り外せなくしてしまったのだと判断しました。
下の写真はOリングの比較です。上側が純正品、下側が社外品に付属していたものです。純正品のほうが直径はわずかに小さく感じました。社外品のOリングも溝には入りましたが、それだけで適合性や密閉性を確認できたわけではありません。
購入したASSYとの比較
購入したマスターシリンダーASSYが届いたので、取り外したものと比較しました。今回購入した部品番号は、次のとおりです。
下の写真では、左側がもともと取り付けられていたもの、右側が今回購入した新品です。新品のASSYにはブレーキライトスイッチも含まれており、スイッチの形状にも違いが見られます。
大きな違いは、ミラーの取り付け位置です。新品には、下の写真で赤丸を付けた本体側の位置にミラー取り付け部があります。私が確認したパーツリストも、本体側にミラーの取り付け穴がある形状に見えました。
もともと付いていたものはキャブ車用なのではないかとも考えましたが、確認したキャブ車のパーツリストも新品側と同様の形状に見えました。取り外したマスターシリンダーがどの車種向けなのかは、特定できていません。情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけると幸いです。
ミラーの取り付け位置が変わるため、従来よりもミラーが少し車体前方へ移動します。現時点では大きく気にならないと考えていますが、気になる場合は従来の取り付け部品を活用できるか検討する予定です。
新品の点検窓は透明できれいです。
ミラーの取り付け位置がどの程度前方へ移動するかは、下の写真のとおりです。
最初に撮影した比較写真では、撮影角度の影響か、新旧のマスターシリンダーの大きさが異なって見えたため、撮り直しました。下の写真は左側が新品、右側が取り外したものです。この写真では、ほぼ同じ大きさに見えます。
まとめ
今回は点検窓の交換に失敗し、自分では元の状態に戻せなくなってしまいました。途中で違和感を覚えた時点で作業を止めるべきでしたが、冷静に判断できていなかったことが反省点です。
今回のケースでは金属リングを取り外せなくなったため、マスターシリンダーASSYの交換を選びました。購入費用は約2万円でした。点検窓の交換に失敗すると必ずASSY交換が必要になる、という意味ではありません。
今後は、部品が想定どおりに外れない・入らない場合には無理に作業を続けず、状態を確認してから判断したいと思います。
関連リンク集
今回の作業(2回目)
今回のブレーキ整備につながった点検内容と交換部品の検討は、次の記事にまとめています。
【VTR 250】ブレーキパッド、ブレーキローターの点検、ブレーキOHの部品選定、リアブレーキローター流用フロントブレーキキャリパーのOHについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】フロント ブレーキキャリパーOH 2回目リアブレーキキャリパーのOHについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】リアブレーキキャリパーOH 2回目1回目の作業(2020年)
1回目のフロントブレーキキャリパーとマスターシリンダーの取り外しについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】ブレーキキャリパー・マスターシリンダ取り外し(フロントブレーキ編)1回目のリアブレーキキャリパーとマスターシリンダーの取り外しについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】ブレーキキャリパー・マスターシリンダ取り外し(リアブレーキ編)1回目のブレーキキャリパーとマスターシリンダーのOHについては、次の記事にまとめています。
【VTR250】ブレーキキャリパー・マスターシリンダOH
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